2010.5.26
最後の一人、高橋淳のご紹介です。
彼は臨床美術士という仕事をしています。
主に認知症の高齢者の方と一緒に絵を描く事を通して
ふれあい、一緒に課題に取り組んでいきます。
そんな仕事の中での経験から、過去から未来への人の繋がりに
意識を向けるようになり、描いたポートレイトを、繋がりの糸を思わせる
ドリッピングによって覆っていき、笑顔を称える霧の中の人物のように
仕上げるという手法に行き着きました。
今回の存在の濃度は、重い・軽い・曖昧の3つのレイヤーにより
それぞれのもつ存在への取り組みを提示するものでした。
先に紹介したように、最終的に高橋淳の作品は掛け替えることになり
そのデリケートに組み立てられたレイヤーにヴィヴィッドさが加わり、
ハプニング的に生き生きとした展示となりました。
今週から高齢な生徒が彼と一緒に描いてきた作品のファイルが
置いてありますので、それも合わせてご覧いただくと
さらに発見があると思います。
2010.5.22
二人目は新藤杏子。
絵を見たことがある人もいるかもしれませんね。
いつもは水彩とインクを紙に染みこませて
淡い水で描いたような人物をモチーフとしていますが
今回は技法を油絵に替えて制作しています。
子供とも大人とも分からない人物のアップを中心に描いていましたが、
徐々に全身を描くことが多くなっていくなかで、
キャンバスの四角では無い、もっと自由な場所で登場人物達を
描きたくなったといいます。
そこで今回はアルマスの奥の壁より長い、4m50cmの巻物に
鳥獣戯画のウサギと蛙のように、生き生きとした人物達を描いています。
巻物を解くごとに現れる、遠くを見つめるもの、バンザイをするもの、
寝ころぶもの、おっかけっこ?をする二人組などなど。
いつもの四角から解き放たれて、元気に動き回る彼らの様子は
観る者の心を暖かくしてくれます。
また、その感情とは裏腹に、ディフォルメされ、所々鮮やかなアザのようにも
見える色彩に彩られた彼らの姿に、若干の後ろめたさにも似た
不安感も感じざるを得ません。
そしてそここそが彼女の絵のとても魅力的な部分となっています。
今までで一番生き生きとした彼らの姿を是非見に来てみてください。
2010.5.21
今日から3人の作品をちょっとずつお見せします。
一人目は加藤智大です。
持ち前の器用さで丹念に鉄板を折り曲げて、
キャンバスを作っています。
本来布であるキャンバスを鉄で作り、
さらに鉄板に鉄でできているものをリアルに描くことによって
当然として受け止めている事実を変換し、鑑賞者に物質という物の
もつ意味を再考察してもらうきっかけになればと考えています。
隅々まで仕事が丁寧で、彼の作品のもつモノとしての
完成度に僕はとても惹かれます。
実際F0号の作品などは手にとって貰うと、ずっしりした重さに
キャンバスのイメージを覆されます。
でも裏を見るとちゃんと木枠が入り、布の折り曲げもしっかり
再現されているのです。
ぜひ手にとって観ていただきたい作品です。
2010.5.17
先日のオープニングには沢山の方にきてくださり、大変盛況でした。
作家組は3次会までもつれ込んだようで・・・。
お疲れ様です。
実は作品設置の時、高橋淳の作品2点を展示のコンセプトを考慮し、
突飛すぎるということで外したのですが、持って帰ってしまうには
惜しい迫力があったので、バックヤードに置いておいて、
話しの流れでお見せしようという事になりました。
で、当然オープニングの会話でほぼ全員に見てもらうことになり、
色々なアートフェアや展覧会で見慣れた作風よりも
こちらが強く見えるという意見を頂きました。
そんなこんなで今日、誰もお客様がいないタイミングで掛け替えてみるか
ということになり、全員の目も慣れてきたのか「案外イケる」という
結論にいたりました。
存在の濃度というワードからは、飛び出しすぎた存在感ではありますが
そのヴィヴィッドさも含めて濃度の幅ということにしようと思います。
最初はデリケートな存在感の幅をテーマにと思っていましたが
当然こういう存在感もあるわけで、突飛ではありますが
全体のいいアクセントとして展示にメリハリをもたらしてくれたと
思います。
というわけで、火曜からはまた新しい顔をした展示になりますので
オープニングに来てくれた方々、また来てくださいね(笑)
あ、それと、最終日前日の28日(金)19:00からかる〜く
クロージングパーティをしますので、そちらもぜひ!
2010.5.15
さて、今日から「存在の濃度」展はじまります!
とある展示にて、僕が加藤智大に話しかけ、そこから旧友の
高橋淳と友達同士だと言うことがわかり、
事前にいいなぁと思っていた新藤杏子が加藤のパートナーだと
言うことが判明したという経緯をあっての3人展です。
好きだなと思った作品が、なぜか繋がっていたということと
3人の表現手法の差異が、存在の濃度というキーワードを
自ずと浮かび上がらせてくれた気がしています。
これから最終仕上げをしに行きます!
近くの清澄白河では奈良美智さんの個展も始まります。
少し足をのばして、小さな火種を目撃してみてください。
(淳、言い回し借ります!)
どうぞお楽しみに!
2010.5.14
なぜか英語で始めてみました。
今週末から高橋淳・加藤智大・新藤杏子の3人による
「存在の濃度」展が始まります!
三者三様の技法の、淡い、おぼろげ、堅固という特徴から、
存在の濃度と題しました。
高橋淳のドリッピングで覆われたポートレイト、
加藤の板金で作られたキャンバスに描かく鉄のプロダクト,
新藤の絵の具の染みで描き出したような人物像。
実際に目にしなければ分からない重層的なディテールを
濃度となぞらえたのですが、実物を見てこそ分かる
テクスチャーをお楽しみいただけると思います。
今回バックヤードにも小品を並べるので
それもお見逃し無く!
2010.5.10
無事アルマス図書室4回目終了いたしました〜。
今回も地元の方に知って貰う機会になって嬉しい限りです。
このブログに加えて、
Twitterやっていますので、そう頻繁につぶやくわけではないのですが、
よろしければフォローしてみてくださいませ。
YG_FABRE_HARMAS
あと、密かにmixiにもコミュニティがあるので、
見つけてみてください〜。アルマスって検索すれば出てきます。
よろしくおねがいします〜。
2010.5.8
今日はスカッと晴れ渡りましたね!
とても気持ちよく準備もはかどりそうです。
毎回フレーバー違いで提供してきたお茶のお供「ぼうろ」ですが
今回はこどらやきになります。
餡が3種類から選べますので、お好きなものをどうぞ!
先日終了したサバイバルプランツ展での
植物もこの2日間引き続き展示販売しておりますので
あわせてごらんください〜。
2010.5.6
5月8日(土)と9日(日)に、恒例の「アルマス図書室(喫茶付き)」を
開催します。
本をぱらぱらめくりながら珈琲をすすり、時折おまけのお菓子をかじる・・・
というコンセプトは変わりません。
あくまで図書室なので、本の販売もありませんが、
珈琲はちょっと美味しいのをご用意しています。
そんなに数はないですが、絵本やら小説やら写真集やら
雑誌やらが雑多に並ぶ図書室になっています。
もちろん、本の持ち込みもオッケーです。
そして前回に引き続き、
恵比寿にあるセレクトが素晴らしい雑貨屋さん
SMLの雑貨から、「本の傍にあるもの」をテーマに
雑貨をセレクトさせていただき、販売をします。
モノ好きをくすぐるセレクトになっていると思いますので
ご期待下さい!
詳細:http://harmas.fabre-design.com/main/2010/02/04/362/
日時:2010年5月8(土)9日(日)12:00-18:00 L.O
料金:ワンドリンク制500円〜(おまけ付き)
場所:アルマスGALLERY@門前仲町
HP:www.harmas.fabre-design.com/
喫茶:イシトキト
2010.5.3
今回の展示に来てくれた皆様どうもありがとうございました!
ミリタリーの道具がいっぱいということで、ネガティブな反応なども
覚悟していたのですが、どうやら植物達のおかげで共感してくれる方も多く、
とても励みになりました。
これからも植物→木→インテリア→音楽など、園芸を拡大解釈して
発表していければと思っていますのでご期待下さい。
また、今回展示していた植物は引き続き販売していきたいと思っています。
ブログで見られるようにとか、工夫してみます。
とりあえず5月8,9日のアルマス図書室でも一角で展示する予定ですので
今回予定が合わなかった方もぜひご覧ください。
それでは最後にフォレストボーイをアマゾンに放った図で締めたいと思います。
どこにいるかな探してみてネ!