最後の一人、高橋淳のご紹介です。
彼は臨床美術士という仕事をしています。
主に認知症の高齢者の方と一緒に絵を描く事を通して
ふれあい、一緒に課題に取り組んでいきます。
そんな仕事の中での経験から、過去から未来への人の繋がりに
意識を向けるようになり、描いたポートレイトを、繋がりの糸を思わせる
ドリッピングによって覆っていき、笑顔を称える霧の中の人物のように
仕上げるという手法に行き着きました。
今回の存在の濃度は、重い・軽い・曖昧の3つのレイヤーにより
それぞれのもつ存在への取り組みを提示するものでした。
先に紹介したように、最終的に高橋淳の作品は掛け替えることになり
そのデリケートに組み立てられたレイヤーにヴィヴィッドさが加わり、
ハプニング的に生き生きとした展示となりました。
今週から高齢な生徒が彼と一緒に描いてきた作品のファイルが
置いてありますので、それも合わせてご覧いただくと
さらに発見があると思います。